マツダ CX-60 / CX-80 商品改良——CX-60に先進安全装備を展開
マツダがCX-60とCX-80に商品改良を実施。CX-60にはCX-80で先行採用されていた先進安全装備を展開し、全車タッチ操作対応や遮音ガラス採用など日常の質感を底上げ。グレード体系も大幅整理された。
マツダは2026年3月19日、クロスオーバーSUV「CX-60」と「CX-80」に商品改良を実施し、同日より全国で発売を開始した。CX-60にはCX-80で先行採用されていた先進安全装備が展開され、両車ともにマツダコネクトのタッチ操作対応や遮音ガラスの採用など、日常の質感を底上げする改良が加えられている。ラージ商品群の中核を担う2台が、装備水準を揃えた形だ。
CX-60——安全装備の格差を解消
今回の改良で最も注目すべきは、CX-60への安全装備の拡充だ。
これまでCX-80のみに搭載されていた3つの先進安全技術が、CX-60にも標準展開される。緊急停止支援機能付きのクルージング&トラフィック・サポート、側方危険回避や対向車両衝突回避を含む緊急時車線維持支援、そして対向車との衝突被害を軽減するスマート・ブレーキ・サポートだ。
| 装備名 | 機能 |
|---|---|
| クルージング&トラフィック・サポート(CTS) | 緊急停止支援機能付き。高速道路での車線維持と先行車追従を支援 |
| 緊急時車線維持支援(ELK) | 側方危険回避、ロードキープ、対向車両衝突回避の3機能を統合 |
| スマート・ブレーキ・サポート(SBS) | 対向車との衝突リスクを検知し自動ブレーキで被害を軽減 |
CX-60オーナーにとって「CX-80にはあるのに」という声は少なくなかった。ラージ商品群としての安全装備水準がようやく統一された形だ。
タッチ操作対応と遮音性向上——全車共通の改良
両車に共通する改良として、マツダコネクトでApple CarPlayとAndroid Autoのタッチパネル操作が全機種で可能になった。従来はコマンダーコントロールでの操作に限られていたため、スマートフォン連携時の操作性にストレスを感じるユーザーが多かった部分だ。
あわせて、フロントドアガラスが遮音ガラスに変更された。風切り音の低減により、高速巡航時の静粛性が向上している。
CX-60にはさらに、CX-80で先行搭載されていたAmazon Alexa、マツダオンラインナビ、リアシートアラート、トレーラーヒッチビュー対応の360°ビュー・モニターも追加された。上位モデルの装備がCX-60へ水平展開される流れは、今回の改良全体を貫くテーマと言える。
デザインとカラーの変更
インテリアでは、シフトパネルとコンソールの加飾がメッシュメタルからマットブラックヘアラインに変更された。CX-60のXD機種ではエグゾーストガーニッシュもクロームメッキからブラックメタリック塗装へと変わり、引き締まった印象に仕上がっている。
ボディカラーにも動きがある。CX-60全機種にポリメタルグレーメタリックが新たに設定され、従来は一部グレード限定だったジルコンサンドメタリックも全機種に拡大された。一方、ソニックシルバーメタリックはラインナップから外れている。
グレード体系を刷新——選びやすさを重視
グレード構成は大幅に整理された。
CX-60では、XD-HYBRID Exclusive SportsとXD-HYBRID Exclusive Modernが廃止され、Premium SportsとPremium Modernに一本化。代わりにXD-HYBRID Drive Edition Burgundy Leather PackageとXD-HYBRID Drive Edition Nappa Leather Packageが新設された。バーガンディレッドの赤内装を採用した前者は、走りのスポーティさを内装でも表現する新しい選択肢だ。
エントリーグレードの25S S Packageも廃止され、CX-60の価格帯は382.8万円からとなった。PHEVもL Packageが整理され、Premium SportsとPremium Modernの2グレードに集約されている。
CX-80側では、XD-HYBRID Drive Edition Nappa Leather Packageが新設されたほか、シート構成が見直された。Premium SportsとPremium Modernは6人乗りキャプテンシート仕様に統一され、それ以外のグレードでは7人乗りベンチシートまたは6人乗りセンターウォークスルーから選べる。
| CX-80 シート構成 | 選択肢 |
|---|---|
| Premium Sports / Premium Modern | 6人乗りキャプテンシートのみ |
| その他のグレード | 7人乗りベンチシート or 6人乗りセンターウォークスルー |
ラージ商品群の「育て方」が見える改良
今回の商品改良は、派手な刷新ではない。パワートレインの変更はなく、エクステリアのデザインも大きく変わっていない。
だが、その内容を丁寧に見ていくと、マツダがラージ商品群をどう「育てて」いるかが見えてくる。CX-80で導入した安全装備や利便機能をCX-60に展開し、ラインナップ全体の水準を引き上げる。選択肢が多すぎたグレード体系を整理し、ユーザーが選びやすい構成に再編する。
CX-60は2022年の発売以来、乗り心地やインフォテイメントに対するフィードバックを受け続けてきた。直6エンジンとFRベースという独自の設計思想はそのままに、日常で使う部分の質を着実に高めていく。商品改良とはそういう仕事だ。
価格・グレード一覧
CX-60(税込)
| パワートレイン | グレード | 2WD | 4WD |
|---|---|---|---|
| 2.5Lガソリン | 25S L Package | 382.8万円 | 405.4万円 |
| 2.5Lガソリン | 25S Exclusive Mode | 413.1万円 | 435.6万円 |
| 3.3Lディーゼル | XD Drive Edition | 430.3万円 | 452.9万円 |
| 3.3Lディーゼル | XD Drive Edition Nappa Leather Package | 456.5万円 | 479.1万円 |
| 3.3Lディーゼル | XD Premium Sports | 469.8万円 | 492.4万円 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Drive Edition Burgundy Leather Package | — | 新設 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Drive Edition Nappa Leather Package | — | 新設 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Premium Sports | — | 570.4万円 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Premium Modern | — | 570.4万円 |
| PHEV | PHEV Premium Sports | — | 649.6万円 |
| PHEV | PHEV Premium Modern | — | 649.6万円 |
価格帯: 382.8万円〜649.6万円
CX-80(税込)
| パワートレイン | グレード | 2WD | 4WD |
|---|---|---|---|
| 3.3Lディーゼル | XD Drive Edition | 478.2万円 | 501.8万円 |
| 3.3Lディーゼル | XD Drive Edition Nappa Leather Package | 509.3万円 | 533.0万円 |
| 3.3Lディーゼル | XD Premium Sports | 544.7万円 | 568.4万円 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Drive Edition Nappa Leather Package | — | 新設 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Premium Sports | — | 634.7万円 |
| 3.3Lディーゼル+MHV | XD-HYBRID Premium Modern | — | 634.7万円 |
| PHEV | PHEV Premium Sports | — | 714.5万円 |
| PHEV | PHEV Premium Modern | — | 714.5万円 |
価格帯: 478.2万円〜714.5万円
CX-60とCX-80が採用する3.3L直列6気筒ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 3.3」は、マツダにとって初の量産直6ユニットだ。かつて直列6気筒はプレミアムブランドの象徴とされてきたが、マツダはFRベースのラージプラットフォームとともにこのエンジンを自社開発し、400万円台から直6の走りを手に入れられる道を開いた。


